金が価値のあるもので、投資対象になるということは、誰でも知っていることだと思います。ですが、あんまり金投資って馴染みはないかと思います。玄人的と言いますか。
そして、Google先生で「金投資」と検索すると…「金投資 おすすめしない」とか「金投資 やめとけ」などが、サジェストで出てきたりします笑
今回はそんな金投資についてご紹介します。金投資は本当におすすめできないのか?儲かるのか?何がデメリットなのか?また、純金積立や金ETF等の金投資の種類についてなどをご説明します。
ちなみに、金投資は、オルタナティブ投資の一つと言われたりします。オルタナティブ投資とは、上場株式や債券などの一般的な金融資産以外の新しい投資対象や投資手法のことをいいます。オルタナティブ(alternative)は英訳で「代わりの」「代替の」という意味になります。
なので、金投資・純金積立は基本的には亜流というかポートフォリオの中の一つとして組み込むといった位置付けになります。デフォルト対策として、資産の守りを更に強くしたいと思う人が、純金・プラチナ・銀などの貴金属投資をしています。
金投資は儲かるのか?金投資のメリットとは?
「金(ゴールド)」は全世界で太古より、それそのものに価値がある実物資産とされてきました。その価値を保証するのは、希少性です。限りあるものであるが故に、価値があると見なされてきました。
2000年代からインターネットでの投資が活発になったことで、金投資もやる人が増えており、有望視される声もあります。金投資はおすすめしないとか金投資やめとけの前に、まずはメリットから説明します。
純金投資のメリット
- 本来無価値な紙幣とは異なり、金自体に不動の価値があるため、価値が無になることはない
- 換金性や流動性が高くて、万国共通の通貨としてどの国の貨幣とも交換可能
- 限りある資源なので、経済の好不況に関わらず価値上昇の可能性がある
- インフレ・デフォルト等の経済不安定時、テロ・戦争・災害時に、価値上昇の傾向がある
- 資産保有に対して固定資産税がない
- 消費税が上がると利得がある
インフレやデフォルトの時には、貨幣価値は減少したりしますが、その一方で金の価値は上昇します。また、デフレの時でも、金の量には限りがあるで、一時的な金の価値の下落があっても、結局は軌道修正されて、緩やかに上昇し続けることになります。
インフレ・デフレ・デフォルトや、日経平均株価が急落した時、世界通貨が不安定な時、様々な経済危機に対応できる避難的な資産として、純金は愛好されているのです。そのことから、純金で日本円のデフォルト対策をした方が、米ドルやユーロといった外貨でやるよりも、より安全・確実と言うこともできます。
純金には、固定資産税がないのもメリットです。オルタナティブ投資として同種の不動産には固定資産税が掛かりますからね。
また、純金は、税込みでの売買になるため、買う時に消費税を払い、売る時に消費税が売値に乗ることになります。日本では消費税増税でも、減税になることがないので、長年の純金積立をすることで、消費税差益で儲けることも可能になります。
ちなみに、金1グラム当たりの価格推移については、年次平均価格ベースで、1973年が958円、1983年が3,296円、1993年が1,328円、2003年が1,399円、2013年が4,453円、2020年が6,122円となっています。
詳細は、田中貴金属工業のサイト「金価格推移」をご参照ください。
金投資はおすすめできない?何がデメリットなの?
次に、金投資はおすすめしないとか金投資やめとけと言われる所以の、デメリット面について説明します。
純金投資のデメリット
- 利子や配当といったインカムゲインがない
- 未来的に金が大量に発見された場合、価値減少のリスクがある
- それ自体で貨幣利用はできない
金の最大のデメリットとしては、利子や配当といったインカムゲインが付かないことです。金は稀少性があることで資産価値が高いというだけであって、金自体が収益を生んでいるわけではなく、純金をただ所有しているだけでは、価値を生み出すことができません。
これが株式投資や債券投資、不動産投資等とは根本的に違う側面となります。なので、金投資は基本的に売買差益=キャピタルゲインで稼ぐことになります。
安全資産と思ってコツコツと純金積立していたのに、実は金投資は純粋な値上がり値下がりのみの勝負だったので、思わぬことで価格減少したりして落胆する人がいることから、「純金積立 おすすめしない」とか「純金積立 やめとけ」、「純金積立 失敗」などの意見が出てきます。
また、繰り返しになりますが、金の価値を保証するのは、希少性です。もし今後、アフリカの僻地や、宇宙開発などによって、別の地で新たに金が大量に発見される、ということなどがあれば、価値減少の可能性があります。
当たり前のことではありますが、純金はいわゆる通貨ではないので、経済行為(商品やサービスを買う)に、お金として使用することができません。ジブリ映画の「もののけ姫」で主人公のアシタカがお米を買うときに金を出して、周囲に戸惑いを与えていましたよね。
金投資で稼ぐ方法は?金投資の種類について
金投資の方法としては、主に以下の4つの種類があります。
- 純金積立
- 金ETF・投資信託
- 金地金
- 金貨
毎月一定のお金を指定銀行口座からの引き落としで金投資する、純金積立がメジャーな方法です。楽天証券やマネックス証券では、月々1000円から純金積立が可能です。どちらも手数料は購入時のみ、税込2.625%が掛かります。月1000円の純金積立の場合、年間12,000円なので、315円の手数料になります。
まずはスモールスタートで小額から始めたい場合は、楽天証券やマネックス証券を利用して純金積立するのがおすすめです。
>>>楽天証券はこちらから
金ETFを利用する方法もあります。ETFとは上場投資信託のことなので、金投資をする上場投資信託のことです。もちろん、ETFじゃない金を取り扱う投資信託もあります。
投資信託の仕組みについては、こちらの記事もご参照ください。
金ETFでは、株を売買するのと同じ感覚で、金を売買できます。金ETFは、SBI証券などの普通のネット証券で購入できます。
金ETFでおすすめされているのは、例えば「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」や「ETFS金上場投信」などです。「SPDRゴールド・シェア」は、世界有数規模の金資産を保有する金ETFでして、純資産残高が5兆円を超えています。信託報酬が全投資額の年0.4%前後と安価ですし、最低購入金額は12,000円程度です。
金の投資信託でおすすめされているのは、日本においては「ブラックロック・ゴールド・ファンド」です。ただ、信託報酬や購入時手数料コストが、他の投資信託よりも高いことに注意が必要です。基本的には、金投資は投資信託よりも金ETFの方がおすすめです。
他にも、金地金、金貨、ハイリスク・ハイリターンの金CFDという手法もあります。
自分で純金を現物保有したい場合は、金貨がおすすめです。金地金(ゴールドバー・インゴット)も自分で保有することができますが、盗難リスクがあるので銀行の金庫等のセキュリティサービスを使うことがマストになります。要するに、管理コストが発生します。
また、1kgからの購入が基本なので、最低でも数百万円以上の元手が必要になります。一方で、金貨の場合は、1オンスで数十万円前後で買えるのでお手頃です。
自分で現物保有する必要がなければ、基本的にはスモールスタートできる純金積立や金ETFがおすすめです。純金積立や金ETFでも、会社やファンドによっては、1kg相当額に達することで、純金そのものを取り出すこと(現物化)も可能です。
現物化は、純金積立なら田中貴金属工業が対応しています。金ETFなら「SPDRゴールド・シェア」が対応しています。日本の金ETFなら「金の果実」というファンドも対応しています。このファンドは、SBI証券やマネックス証券で売買可能です。
>>>SBI証券はこちらから
純金積立における金の保管方法はどうなってる?
純金積立で購入した純金は、販売会社が無料で保管してくれます。管理方法は特定保護と消費寄託の2つがあります。
消費寄託:楽天証券、マネックス証券
特定保護の方が安全性は高いです。
消費寄託は、普通の銀行のお金と同じような管理方法になります。消費寄託であっても、楽天証券やマネックス証券などの信頼性の高い会社であれば安心です。
金投資の手数料と純金積立やるならおすすめの会社
金投資の種類によって掛かるコストは様々です。例えば、ドル建ての金ETFなら為替手数料、日本の金ETFではもちろん信託報酬など、純金の手数料は多数あるのです。
純金積立においては、購入時手数料コスト、年会費の2点を注意すればOKかと思います。購入時手数料が無料なら年会費が3000円前後、年会費が無料なら購入手数料が1%から5%前後、といった会社が多いです。
金投資の中で、長期的に見た時に、全体の手数料が安いのは、純金積立です。純金積立は購入時or年会費にだけ手数料が掛かります。純金積立では、金の保有資産が増えても、毎年同じ金額を積立てるなら、それと同等の手数料コストしか発生しません。
一方で、金ETFでは、投資している全財産の数%を信託報酬として毎年徴収されます。これは投資信託の基本ですね。金価格が上昇して、金の保有資産が増加したとき、金ETFだと相応の手数料が取られることになります。
コスト面だけ見ると、純金積立の方が割安と考えられますね。
純金積立やるならおすすめの会社(手数料が安い!)
毎月1万円以下:楽天証券、マネックス証券
毎月1万円以上~5万円以下:エース交易
毎月5万円以上:田中貴金属工業
楽天証券・マネックス証券・田中貴金属工業・エース交易は、年会費が無料で、購入手数料があります。楽天証券・マネックス証券は一律2.625%の手数料です。田中貴金属工業とエース交易は、毎月の積立額を増やしていくと手数料が安くなります。
純金積立で評判が良い田中貴金属工業の「G&Pプランナー」の場合、毎月1000円~2000円の積立では、手数料5%と高いですが、毎月5万円以上の積立では1.5%まで安くなります。田中貴金属工業では、スポット購入は1万円以上で手数料が無料になります。ただし、積立をやっている人のみが利用可能です。
エース交易は1万円未満の毎月積立で5%、1万円以上で1.7%となっています。
金投資はあくまでもポートフォリオの中の一つ
以上が、金投資のご紹介になります。
もちろんメリットとデメリットの両方がありますが、総合して考えると…
「安全資産」「デフォルト対策の避難的資産」という立ち位置である一方で、儲ける方法は基本キャピタルゲインのみ且つ大きくはないが投資コスト(手数料や年会費等)が掛かるので、投資手法の全体の中でも見るとメインの存在にはならないと思います。
株式投資や通常の投資信託を一通り舐めた後に、少しかじってみても良いかもという感じです。あくまでも金投資は投資ポートフォリオの中の一つと言えるでしょう。
では、次が「投資・資産運用のおすすめ10選」の最後になります。
実は普通預金も立派な投資手法であるということについて語ります。