FX(外国為替証拠金取引)はお金稼ぎの副業やネット副業でも人気があり、よく取り上げられる稼ぎ方です。投資としても株式投資と並んで話題になりやすい金融商品ですよね。
「FXは儲かる副業!」「FXで一攫千金!」といった話が耳に入ってきたこともあるかもしれません。確かに、場合によっては、FXは一攫千金も狙える稼ぎ方・投資方法とも言えます。
しかしながら、FX初心者が知識不足でノリでやってしまうのは…かなり危険です。失敗する可能性大です。FXを始める前に、まずは基本知識をしっかりと把握しましょう。
今回は、FXの基本から仕組み、リスク・デメリット、始め方・稼ぎ方などを説明します。
FXとは?どんな金融商品なのか?
FXとは、「Foreign Exchange」の略で、「外国為替証拠金取引」といわれるものです。FXの内容は、為替レートが上がるか下がるかを予想して、外国の通貨を売買し、利益を稼ぐ取引になります。
FXの略である「Foreign Exchange」とは本来は「外国為替取引」の意味で、ある国の通貨を別の国の通貨に交換・両替する取引のことをいいます。この「外国為替取引」を証拠金で行うことから、FXを一般的に「外国為替証拠金取引」といっています。
なので、FXの基本は「外国為替」です。海外旅行に行ったことがある人は、日本円を旅行先の通貨に両替したと思います。アレです。
FXは、物やサービスではなく、お金(日本円)とお金(米ドル・豪ドル・ポンドなど海外通貨)の交換レート=為替レートの変動を利用した差益によって稼ぐ金融商品になります。
FX取引で儲かる仕組みはどうなってるのか?
FXは、外国の通貨を売買して、差益を稼ぐ取引です。最も基本的なやり方は、外貨を安い時に買って、高くなったら売る。その差額で利益を得る方法です。
具体例として、日本円を米ドルに両替する場合、為替レートが1ドル=100円だったとします。そして、この為替レートが、1ドル=120円になったとしたら、20円の利益が出ます。もし、為替レートが、1ドル=80円になったとしたら、20円の損失が出ます。
別の言い方をすると、円高のときに買って(円の価値が高いから割安でドルを買える)、円安のときに売れば(ドルの価値が上がったら円を買い戻す)、利益を稼げます。商売の基本ともいえる「安く仕入れて、高く売る」というやつになります。
世界中には、ある国の通貨を「買いたい」「売りたい」という人たちがたくさんいて、その動向で為替レートは常に変動しています。「買いたい」が多い場合は、為替レートは値上がりし、逆に「売りたい」が多い場合は為替レートは値下がりします。これは、株式市場や債券市場などと同様の市場原理で、需要と供給によって値動きが生まれます。
FXの証拠金とは?レバレッジ取引の仕組み
証拠金は、取引を行うときに預け入れる担保のようなものになります。
FXの証拠金取引とは、「差金決済」という将来的に必ず反対売買することが約束された決済方法(例えば、円をドルに替えた場合、将来的にはドルを円に戻すこと)を採用した取引になります。
この「差金決済」により、総取引額の現金の受渡しを必要とせず、売買損益額の受渡しのみで取引をすることができます。
例えば、1ドル=100円のときに、1万ドルの取引をするとします。本来なら100円×1万ドルの100万円がないと、1万ドルに替えることはできません。ですが、FXの証拠金取引であれば、総取引額(100万円)に対する数%の証拠金を預け入れることで、1万ドル分の取引を行うことができます。
そして、5万円の利益が出たら、預け入れた証拠金に加算されることになります。5万円の損失が出たら、預け入れた証拠金から差し引かれます。売買損益額の受渡しのみで取引できるということです。
証拠金取引をレバレッジ取引といいます。レバレッジとは、「テコの原理」の意味で、総取引額に対する自己資金が少なくても、証拠金だけで大きな金額を動かすことができる仕組みになります。
FXの取引では、基本的な取引単位が1万通貨になっています。この単位を「1通貨」もしくは「1ロット」といっています。1万通貨となると、ドルなら1万ドルになり、1ドル=100円の場合、1万ドル=100万円必要になり、ハードルが高くなります。これもあって、FXでは証拠金取引=レバレッジ取引が基本となっています。
いわゆるレバレッジ何倍というのは、「証拠金に対して総取引額が何倍か」を指しています。
過去では、レバレッジ100倍や400倍とかハイレバで取引ができるFX業者がたくさんありましたが、2010年に規制が入り、現在ではレバレッジ25倍が最大になります。
今でも海外FX業者などでは25倍を超えたハイレバ取引ができたりしますが、はっきり言っておすすめできません…
仮に、レバレッジ100倍の取引で、100万円を証拠金として預け入れたとします。100万円の100倍なので、1億円の取引ができるようになります。為替レートが1ドル=100円の場合、100万ドルを買うことができます。
もし、1ドル=101円となったら、これで100万円の差益が生まれ「すげー!」となると思います。一方で、1ドル=99円になると、一気に100万円の損失が生まれます。証拠金として預け入れた100万円も溶かすことになります。
要は、FXのハイレバ取引は危険も伴うハイリスク・ハイリターンの投資なのです。
ちなみに、レバレッジ1倍は、要するにレバレッジなしで取引することです。レバレッジをかけずに自己資金の範囲内で取引することも、当然可能です。
ロスカットの仕組みをわかりやすく説明
ロスカットとは、証拠金取引=レバレッジ取引のリスク管理を目的に、為替差損によって資産がマイナスになる前に自動決済されて取引を強制終了させる仕組みのことです。
わかりやすく具体的にロスカットを説明すると、レバレッジ10倍の取引で、10万円を証拠金として預け入れた場合、10万円の10倍で、100万円の取引ができます。為替レートが1ドル=100円の場合、1万ドルを買うことができます。
そのとき1ドル=90円になり為替差損が発生すると、10万円分マイナスとなり口座の資産が減少してしまいます。さらに為替差損が拡大して証拠金を割り込む状況までいくと、自動的に決済されるようになっているのです。
ロスカットがあることで、証拠金以上に大きな損失が出て、借金になってしまうリスクを回避することができます。借金地獄に陥らないためのリスク管理機能ともいえます。
ロスカットになるタイミングは、口座の資産が一定の証拠金維持率までマイナスになった場合です。証拠金維持率は、「純資産÷必要証拠金×100」という計算式で出されるものです。
純資産は口座残高+為替差損のことで、口座に入れたお金から為替変動のプラスマイナスを計算した純粋な資産のことです。必要証拠金は為替差損のマイナスを受けても耐える(ロスカットされない)ための最低限必要となる証拠金のことです。
ロスカットのタイミングの基準になる証拠金維持率は、FX業者によって異なるので、実際に取引をはじめる場合は確認して計算するようにしましょう。
FXのリスクは?何がデメリットなのか?
投資の金融商品においてリスクがないものは存在しないです。そして、メリットがあるということは、その反面でデメリットもあります。
FXにおけるリスク&デメリットは、FXの特徴でもあるレバレッジとロスカットになります。
レバレッジは、「テコの原理」と説明しました。レバレッジをかけると、少ない元手で利益が何倍にもなる可能性があります。その一方で損失も何倍にも膨れ上がる可能性があるのです。このレバレッジというのは、証拠金を担保に、借入(ローン)をしているので、見方を変えると「借金と同じ」なんです。
ビジネスにおいて、借金が悪いことではないのですが、取扱いを誤ると危険です。失敗しないためにも、身の丈に合わせたレバレッジをコントロールしましょう。
ロスカットは、リスク回避の仕組みと説明しました。が、ロスカットというのは「評価損(損切りを確定していない状態)」に対して勝手に発動されるものなので、「反転して上がるかもしれない」という可能性を潰されて、預けた資金を強制的に没収されているともいえます。株式投資の場合は、1万円で買った株の株価が8000円になっても、5000円になっても、また値上がりするまで放置して待つという選択を取ることができます。しかし、FXのロスカットはその選択肢を与えてくれないのです。
なので、仮に、為替差損が出た後で、大きく為替差益が出たとしても、ロスカットされて取引を強制終了させられてたら、最終的に儲かってたかもしれない利益を得ることができないのです…。
また、為替変動が急すぎるとロスカットのタイミングが遅れるケースもあります。それで、証拠金以上に損失が拡大して、ロスカットの結果、資金がマイナスになる場合もあります。その場合は、マイナスを負担する必要があります。レバレッジをかけすぎてロスカットされると、その負担金額が数百万円、数千万円になる可能性もあり、借金地獄に陥ってしまうことも…あり得るのです。
FXの始め方、FX業者で口座開設をする
レバレッジやロスカットのリスクについて、不安を煽るような話をしましたが、レバレッジをコントロールして(一般的には3倍まで)、ロスカットを避けながら適切に運用すれば、過度にビビる必要はないです。
FX取引の特性上、証拠金取引=レバレッジが前提となっており、倍率を下げるのであれば、ある程度の自己資金・証拠金を用意する必要があることは認識しておくべきです。
FXをはじめるのに必要なものは、FX口座になります。FX口座の開設のやり方は、FX業者のサイトできます。ネット証券とだいたい同じです。
ネット証券会社がFXもやってるパターンもありますが、FX専業の取引業者では、手数料等の条件や機能など有利なFX口座を用意しています。
FX口座は無料で開設できます。ただ、証拠金取引の特性上、職業があることや資金があること等が求められ、条件が相応に厳しいです。
FXの口座開設の一連の流れは以下の通りです。以前は、紙ベースでの手続きが必要でしたが、今ではほぼネット完結で対応しています。
- FX業者のサイトで口座開設の手続きを開始
- フォームに必要事項を入力、約款の確認
- 身分証明書を提出(写メを送る等)
- 初期パスワードやログインIDが届く
- ログインして、初期設定を完了させる
FXでお金を稼ぐ方法は?
- 為替差益を狙う
- スワップポイントで利益を出す
為替差益を狙うことが、FXで稼ぐ方法の基本です。これは、株式投資や投資信託、債券投資でいうところのキャピタルゲインになります。
スワップポイントで稼ぐ方法もあります。
FX取引では、異なる2つの国の通貨の交換・両替するともに、金利の交換が行われます。各国の金利は異なるので、その差額を調整する必要があります。その金利差調整額をスワップポイントといいます。低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買うことで、スワップポイントを受け取ることができるのです。
各国の通貨の金利は、日本なら日本銀行、アメリカならFRB(連邦準備制度理事会)といった中央銀行が決めています。中央銀行が民間銀行に対して「これだけの金利を払えば、お金を貸し出す」と提示する短期金利の利率を「政策金利」といいます。FXのスワップポイントは、この「政策金利」に連動しています。
中央銀行は、金利を上下させることで、自国の通貨の量を調整します。好景気でインフレ傾向になると、金利を上げて景気過熱を抑制し、逆にデフレ傾向になると、金利を下げてお金を借りやすくし、経済活動を刺激します。
日本は、デフレ下にあり、ゼロ金利政策が実施されているので、利子がほぼつきません。一方で、外国通貨には高い利子がついている国もあります。例えば「トルコリラ」「南アランド」などが有名です。
以上、FXに関する基本知識の説明でした。
FXは儲かる投資ともいえますし、FXで月10万や月30万、1日100万稼ぐ人がいる可能性があることも理解できたと思います。FXトレーダーの中でも、デイトレードをガンガンやっているプロトレーダーには、年収を億稼ぐ人もいます。FXで稼いだ主婦が「4億円脱税」した有名な事件もありますよね。
だがしかし、やっぱりFXはハイリスク・ハイリターンな投資です。「FXで確実に稼ぐ」ということは難しく、驚くほど稼ぐ人がいる一方で、全く勝てない・稼げない・自己資金を溶かす人・ハイリスクに挑んで大きな失敗をする人もたくさんいます。
投資初心者は後戻りできない失敗をする前に、基本知識と情報収集をして、FXをやるかどうかを冷静に判断しましょう。
FXをやっていきたいけれど、まだまだ怖い部分もあるというFX初心者の人は、デモトレードからはじめてみるのが良いと思います。
デモトレードでは、FXを模擬的に体験できます。ここでのお金は、架空のものであり、本当にお金の損益が出るわけではないので、安心して実験ができます。
マネックス証券の「FX PLUS デモ取引口座」で、FXの模擬体験ができるので、まずはデモトレードからという人は一度やってみてください。>>>マネックス証券はこちらから