仮想通貨は、日本でも2010年代半ばから後半にかけて話題となり、ポジティブ・ネガティブの両面でニュースに取り上げられていたので、その名前は皆さんも知っていることと思います。
が、投資初心者の場合、仮想通貨を投資や資産運用の対象として見て、アタックしてみるということは中々できていないかと思います。難しそう…というイメージとともに、ぶっちゃけ怪しい…と思う部分もあると思います。
今回は、仮想通貨、その中でも代表的存在であるビットコインを中心に、そもそも仮想通貨とは何なのか?種類や仕組みは?メリット・デメリット、リスクは?ビットコイン投資の始め方は?などを初心者にもわかりやすく解説したいと思います。
そして、仮想通貨・ビットコインへの投資を選択肢の一つとして検討できるかどうかを考えていただければと思います。
仮想通貨とは?わかりやすく解説
そもそも仮想通貨とは何なのか?を投資初心者にもわかりやすく解説します。
仮想通貨とは、リアルな貨幣がなく、国家の管理をベースとせず、インターネット上でやり取りができるお金のことです。
仮想通貨の主な特徴としては、以下の2つがあります。
- 電子データとしてのみ存在している
- 特定の国が発行した通貨ではない
1つ目の特徴として、仮想通貨はお金ですが、紙幣や硬貨がなく、デジタルデータとしてネットでやり取りをします。そのため、デジタル通貨ともいわれます。
デジタル通貨というと、電子マネーと混同してしまうかもしれませんが、仮想通貨と電子マネーは別物になります。電子マネーは、使える場所が限定的なこと(基本的に該当サービスのみ)と、流動性がない(基本的に売買できない・価格変動がない)ことから、仮想通貨とは区別されます。
2つ目の特徴として、仮想通貨は国家が発行したり管理したりする法定通貨ではない、自由なお金ということです。
普通のお金は、円なら日本銀行、アメリカならFRB(連邦準備制度理事会)といった中央銀行が発行・管理していますが、仮想通貨は国家管理外の通貨なのです。
とはいえ、仮想通貨は日本政府によっても認められた存在です。資金決済法という法律で、仮想通貨は「電子情報処理によって受け渡しができる財産価値のこと」とされています。
2017年4月に施行された改正資金決済法 第2条第5項で、仮想通貨のことを次のいずれかと定義しているのです。
(1) 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
(2) 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの
上記の仮想通貨の特徴を下支えしているのが、ブロックチェーンやマイニングといった不正防止のための高度な暗号化技術です。そのことから、仮想通貨は暗号通貨(クリプトカレンシー)や暗号資産ともいわれています。
仮想通貨の種類は?ビットコインとか
仮想通貨の種類で代表的なのは、やはりビットコインです。2009年にビットコインが誕生してからは、アルトコインと呼ばれる派生の仮想通貨も次々と生まれました。
仮想通貨の売買や現金化ができる仮想通貨取引所(仮想通貨交換業者)が登場してからは、仮想通貨の投資・保有が急激に広まりました。
今では仮想通貨は、国内・海外でビットコイン以外にも役割や機能の異なる数々の通貨が存在しています。種類の数などは、現在も変化しているのですが、世界で3,000種類以上の数があるといわれています。
はっきり言って、「多すぎない?」とツッコミたくなるかと思います。笑
なのですが、国内と海外を合わせた全ての仮想通貨の種類や価格を一覧で見れるサイトもあるので、一応参考までにリンクを貼っておきます→All Cryptocurrencies
国内で買える仮想通貨の種類には、ビットコイン、リップル、イーサリアム、モナコイン、ネム、ビットコインキャッシュ、ライトコイン、クアンタム、ステラルーメン、イーサリアムクラシック、ファクトム、リスク、ベーシックアテンショントークンの13種類があります。
一番おすすめされているのは、ビットコイン(BTC)です。ビットコインは、2008年にサトシ・ナカモトという人物によって公開された論文がきっかけとなって開発され、2009年から運用が開始されたシステムです。
ビットコインの特徴は、通信方式の一つであるPeer to Peer(P2P)技術に基づいた分散型システムによって、公的な発行主体や管理者が存在しない非中央集権型の電子決済システムを実現したところです。
これまでの決済システムでは、第三者的な仲介役が存在することで、取引が成立していましたが、ビットコインの場合、参加者全員で管理する世界初の分散型の決済システムを構築したことが画期的とされています。
リップル(XRP)やイーサリアム(ETH)もおすすめされることが多く、人気があります。また、日本発祥の仮想通貨・暗号通貨であるモナコイン(MONA)や、新規発行という仕組みがない仮想通貨のネム(NEM)も注目されています。
仮想通貨の技術的な仕組みはどうなってる?
仮想通貨の特徴として、「電子データとしてのみ存在している」「特定の国が発行した通貨ではない」という説明をしましたが、それらを成立させ、基盤になっているのが技術的な仕組みになります。
仮想通貨の技術的な仕組みに関しては、難しそうな横文字や初耳の略語など専門用語がたくさん出てきたりして、初心者的にはそこもハードルになっているかと思います。
なので、できるだけわかりやすい言葉・表現で、説明できればと思います。仮想通貨の種類によって異なる部分もあるのですが、代表的存在であるビットコインの仕組みをまず理解して、大枠を把握しましょう。
ビットコインの技術的な仕組みは、主に以下の3点です。
- 電子署名:不正送金の防止
- ブロックチェーン:二重支払の防止
- マイニング:計算による改ざんの防止
1.電子署名:不正送金を防止する
ビットコインでは、「誰から誰に送金した」というやり取りを電子署名(電子的な取引証明書)を使うことによって、不正送金=第三者によるなりすましの送金を防止しています。
それは「公開鍵」と「秘密鍵」というペアとなる鍵を発行・利用した暗号化技術に基づいています。
ビットコインの送金システムにおいては、誰でも使用することができる「公開鍵」をアドレス(送金先を指定するための文字列)の生成に利用して、受取人となるユーザー本人にしか使用することができない「秘密鍵」をやり取りのための電子署名に利用することで、第三者によるなりすましの不正送金を防止しています。
「公開鍵」は「秘密鍵」から生成されるのですが、「秘密鍵」から「公開鍵」を生成することはできません。「公開鍵」は誰でも自由に使うことができますが、「秘密鍵」はその鍵の所有者のみ使うことができるのです。
2.ブロックチェーン:二重支払を防止する
ブロックチェーンとは、分散型台帳とも呼ばれるもので、取引データ(トランザクション)を全て記録している台帳のことです。
ビットコインの取引実績を暗号化し、いくつかにまとめてブロック化し、それが鎖=チェーンのようにたくさん連なっていくことから、ブロックチェーンと呼ばれています。
ビットコインを「AさんからBさんに送金する」場合、その取引情報の正当性(間違いなくAさんが行ったものか、金額はいくらか等)が検証されます。そして、正当であることが確認されると、取引データがブロックチェーンの末端に暗号化されて記録されていきます。
ビットコインでは、ブロックチェーンに記録された取引データを参照することによって、誰がどれだけのビットコインを持っているかを実証する仕組みになっています。
ブロックチェーンにおいては、一般的な通信方式であるクライアント・サーバー方式とは異なり、ネットワーク上の不特定多数の参加者によって取引データが監視(P2P技術に基づいた分散型システム)されているので、当事者による二重支払が発生した場合でも、すぐに不正が判明して、無効データとして処理されることになります。
3.マイニング:計算によって改ざんを防止する
マイニングとは何かというと、日本語で「採掘」という意味ですが、ビットコインにおけるマイニングとは、ブロックチェーンにブロックを追加するため計算作業のことになります。
ビットコインの取引が行われると、そのデータは暗号化され、ネットワーク上でつながった世界中の端末に分散&共有されます。で、取引データの正当性が確認されたら、いくつかの取引データがまとまったブロックとして、ブロックチェーンの末端に追加されます。
このブロックチェーンの仕組みは、これまでにも説明した通りですが、ビットコインの取引データは、記録された時点で「ハッシュ関数」という特殊な関数によって暗号化されるので、その内容を検証することが簡単ではないです。
論理的に答えを算出することができないので、想定される数値をトライアンドエラーで試して入れて、正解を出すしかないのです。
正解を出すことができ、取引データに問題がないことが確認できたら、承認された取引データとしてブロックチェーンに加えられます。この一連作業がマイニングになります。
マイニングにおいては、大量データを高速で計算し、高度な処理能力が必要になります。世界中の「マイナー」と言われる採掘者は、高性能のPCを使ってマイニング作業をしています。
マイニングがブロックチェーンの改ざんを防止する理由は、改ざんをした場合には、正解を出す計算をもう一回やらなければいけないからです。
正解を出す計算作業は、世界中の高性能なPCが競い合って行っていることなので、実質的に改ざんは不可能になっています。ブロックチェーンに記録するときに、マイニングという作業をすることで、改ざんが不可能になるのです。
仮想通貨のメリット、デメリットとリスクは?
仮想通貨における機能面や投資対象としてのメリット、デメリットとリスク(危険な理由)を初心者にもわかりやすく簡潔に説明します。
▼メリット
1.手数料が安い
・多額の現金の用意、金庫やATM、各支店等の設備が不要なため、手数料を格安にできる
・海外送金の場合、銀行が数千円程度の手数料が必要なのに対して、仮想通貨なら数百円の手数料のみで済む
2.送金が早い
・送金先の情報があれば、取引所を通じて送金額を入力するのみで、相手先に送金ができる
・銀行振込の場合、翌日の着金になるケースもあるが、仮想通貨は相手先に直接送金するので、数十分で送金可能
3.海外で両替せずに使うことができて便利
・仮想通貨で決済ができるお店であれば、海外のお店でも同じように仮想通貨で支払いをすることができる
4.いつでも売買取引ができる
・株式取引やFX取引の売買は、基本的に取引できる時間が限られているが、仮想通貨取引は、24時間365日いつでも取引可能
5.少額からでも投資できる
・取引所で売買できる仮想通貨の多くは最低取引価格が低く、数百円から少額投資することが可能
6.将来性があり、資産が何倍にもなる可能性
・仮想通貨が決済手段として多くの人が当たり前に使う時代が将来的にはなる可能性
・仮想通貨投資で、1億円の資産を築き上げる人=「億り人」が現れている
・実際にビットコインの価格は2017年1月から1年間で約20倍になった
▼デメリット&リスク
1.決済スピードが比較的遅い
・現金やクレカでは即時決済可能だが、仮想通貨での決済は、取引内容の正当性を検証してから取引成立するので、決済スピードが遅くなってしまう
2.ネットワーク上のトラブル
・ネットワーク上で何かしらトラブルが発生した場合、取引が承認完了せずキャンセルされることもある
3.管理不足によってハッキングや紛失の危険性
・セキュリティの高い取引所を利用しないとサイバー攻撃によるハッキング被害に合う危険がある
・IDやパスワードを複雑にし二段階認証も抜かりなく設定しないと、不正ログインで資産を盗まれてしまう恐れがある
4.発行が簡単なため、危険な詐欺通貨も多い
・プラットフォームサービスを利用すれば、専門知識がなくても簡単に独自の仮想通貨を発行することができてしまう
・実態がなく、得体の知れない仮想通貨による投資詐欺も発生している
5.法令・税制の変更による影響
・仮想通貨に関する環境において、法令や税制が変更される場合がある
・その影響で、仮想通貨価格の下落や取引停止、税負担の増加等の問題が発生するリスクがある
6.値動きが激しいので大損する可能性もある
・安定した投資対象とは言えず、価格変動が忙しく、しかも変動幅が大きくなりがち
・大儲けする可能性がある一方で大損する可能性もあるハイリスクハイリターンな投資
ビットコイン投資の始め方・やり方は?
ビットコイン投資を始める場合、まずは仮想通貨取引所に口座を開設することから始めます。
仮想通貨取引所は、仮想通貨交換業者ともいわれ、口座開設することで仮想通貨の購入・売買や、現金と仮想通貨の交換・換金ができます。
登録のやり方は簡単で、無料でできます。もちろんスマホでもできます。
登録のやり方・始め方は以下の通りです。
- 仮想通貨取引所のWebサイトでメールアドレスを登録
- パスワードの設定、仮登録を完了させてログインする
- 本人確認書類(運転免許証・パスポート等)の画像の提出
- スマホでSMS認証を完了させる
- 二段階認証(二段階のコード入力)の設定
- 仮想通貨取引所に日本円を入金する
- ビットコインを購入(数量を指定して注文)する
取引所は、bitFlyer(ビットフライヤー)やCoincheck(コインチェック)、DMM Bitcoin(DMM ビットコイン)など国内でも複数あります。
取引所によって、取引量、スプレッド(売値と買値の差)・手数料など条件が異なるので、自分にあったところを利用する形になると思いますが、
初心者におすすめなのは、bitFlyer(ビットフライヤー)です。日本一の取引量を誇る仮想通貨取引所で、国内取引所の中でもセキュリティが万全です。最も安全性の高い取引所といえます。スマホアプリも使いやすく、初心者でもスムーズに利用できます。
以上、仮想通貨・ビットコインについて解説しました。仮想通貨投資をはじめたい方に向けて、より詳細な記事も書きますので、また別途ご紹介させていただきます。
次回は、不動産投資で稼ぐ方法について説明します。